こんな夢を見た。
僕の物が散らかった部屋にキミがいる。キミはベッドに縫い付けられていた。
誰に?
僕に。
キミは何かに耐えるように眉を寄せながらも紅潮しているから、恥ずかしがっているのだとすぐにわかる。その顔に近づきすぎて視界がぼやけて、あ、キスしてるんだ、と思った。夢の中の僕はアマミネくんとキスをしていた。僕は薄い唇に舌を這わせて、すぐにあたたかな中に侵入する。
……いきなりそういうことするんだ。アマミネくんは経験なさそうだしびっくりするんじゃないのかな。そういえばこういうの、明晰夢って言うんだっけ。上顎の柔らかいところを舌先を尖らせてなぞると、キミは口を開けて熱っぽい息を上げる。その隙間につけ込んで、更に敏感な粘膜をぐちゃぐちゃに荒らす。
息継ぎをするのが下手くそで、どんどん顔に熱が集まって息も絶え絶えのキミを見下ろすと、銀色の糸がぷつっと途切れた。
僕の唾液が混ざり合ってキミの喉を通っていく。アマミネくんはごくんと喉を鳴らしてからもしばらく酸欠に喘いでいた。
あと、アマミネくんは勃起していた。夢の中の僕は彼の脚の間を割って馬乗りになっているから、ちょうど反応したものが触れ合う。僕がそこに少し体重をかけると、腰が面白いくらい跳ね上がる。手は恋人繋ぎみたいに絡めているけど、決して逃れられないようにするために押さえつけているのだった。
そうして睦み合うように暴虐を尽くす僕と僕の下にいるアマミネくんを僕は眺めている。
夢。記憶や感情の整理。無意識の願望?
「好きだよ」
そう囁く僕の声が聞こえた。
「好きだよ」
僕は腰を揺すりながらキミの耳元で繰り返している。ばかだなぁ。キミとの関係に向き合う勇気がないだけなのだ。
目を覚ました。上半身を起こすとカーテンの外はうす明るくて、朝というには少し遅い時間だった。
(……今日は遠くへ行きたい)
初夢の内容はしっかりと覚えていて、肩をすくめた。スマホにあけましておめでとうございますとメッセージが来ていて、キミの反らされた白い喉のまぼろしを思い出した。